2018年2月21日水曜日

Niantic に入社しました!

先日、「2018年の新たな門出について」というブログ記事で Google を退職したことについて報告しましたが、本日から Niantic にジョインすることになりました!



Niantic とは:

Ingress や Pokémon GO 等の AR モバイルゲームを作っている会社。ハリーポッターを題材にした "Harry Potter: Wizards Unite" のリリースも控えています。

Pokémon GO トレーラー



Ingress トレーラー




私は APAC のコミュニティマネージャを担当させて頂きます。Ingress エージェント、 Pokémon GO トレーナー、そしてこれから始まるハリー・ポッターの世界に参加してくださるみなさんと一緒に3つの世界を盛り上げていけたらと考えております。どうぞよろしくお願いします!

なぜ Niantic?

私は初期からの Ingress agent で (founder badge も持ってます♪) 当時から Ingress は色々な意味で面白いと思っており、2013年3月(ちょうど5年前!)にサンフランシスコの Alchemy で開催された cross faction meetup に参加したり、2013年6月に日本初の cross faction meetup を両陣営のエージェントの皆さんと一緒に企画させて頂いたり、2014年に石巻で開催された anomaly を 20% プロジェクトとして手伝うため(当時 Niantic は Google の一部署でした)サンフランシスコから駆けつけたりしました。Pokémon GO もフィールドテストから参加させて頂き、初期の頃にブログにまとめたりしていました。

その面白さの根底にあるのはやはり「物理的に人が動く」ということです。

Niantic は、ゲーム自体も面白くて、私は Ingress はレベル 16(一番上のレベル)、Pokémon GO はレベル 37(一番上はレベル40)。。。と結構やっている方だと思います。そんな中で、もっとも面白いと思うことは物理的に人が動く」ということ、その結果「人々がスクリーンの中ではなく現実の世界をもっともっと見るようになる」ということ、「人々が現実の人とコミュニケーションを取るようになる」ということ、そして「そこで見えた現実世界。。。自分の街や訪問した場所をよくしていきたいと考えて行動するようになる」こと。

初期の頃の Ingress はかなりコロコロとルールを変えたりパラメータを変えたりしていて、文字通りの朝令暮改もありました(笑)その時が一番わかりやすかったのですが、Ingress のルールが変わるとみんなの動き方が変わるんです。それってものすごいことだと思ったんですよね。

人の行動を変えるのってものすごく難しい。だけど、Ingress を通じてみんなの行動に様々な変化が見えてくる。

右に行く予定だった人が左に行ったり。
あまり家から出なかった人が外出するようになったり。
Ingress をきっかけに行ったことがない国や街に行ってみる人がいたり。

そしてそれは Pokémon GO によって更に加速されていく。

引きこもりだった友人の友人の子供が Pokémon GO をきっかけに外に出始めて、友達もできて笑顔が戻ってきたり。
自動車事故に巻き込まれた同僚が大怪我をしたのですが、Pokémon GO をやるために外出することで精神を安定させ、歩くことがリハビリになって治っていったり。

そうやって外に出ることで、周りが見えてくる。自分が旅好きだということもありますが、やっぱり現地へ行き、現物を触り、現地の人と話さないとわからないことはたくさんあると思っています。実際に歩いた場所の素晴らしさも、問題も。そして見えてきた問題を解決したいという気持ちも湧いてくる。それを促進する力が Niantic のプロダクトにはあるのではないかと考えています。

2015 年に Google の civic innovation チームにいたときに、どうやったら市民がもっと自分たちの街に興味をもち、自分たちの住む街をよくするために行動するようになるかをみんなで考えました。役所に文句を垂れて任せるのではなく、自分達の街を自分達の手でよくしていこうじゃないかと。

しかし、定量調査や定性調査を重ねて分析している中で、多くのアメリカ人が自分達の住む街をよくしたいという気持ちはあるが、自らは動こうとしない「興味を持った傍観者 - interested bystander -」 だということがわかりました。報告書はこちら

Google Politics and Elections Blog: Understanding America's "Interested Bystander:" A Complicated Relationship with Civic Duty

そういうのを全部ぶっ飛ばして市民がみんなで「自分ごと」として動いた瞬間というのはあるのですが、トランプ大統領の諸々の政策に反対する抗議デモとか、SOPA/PIPA の時とかだったりするわけです。

それに対して、Ingress agent の皆さんが「どうせ Ingress やってて地元を歩くんだから、地域の見守りパトロールもやろうよ」「献血ルームをポータルとして登録し、そこを回って陣地を広げたり、グループの献血者数を競ったりする Red Faction イベントを企画してみようよ」とクリエイティブに考えて、どんどん地元や社会のために行動しているのを見ていると、「単なるゲーム」ではない可能性を感じます。

Ingress 速報:
大阪市天王寺区、区内全ての26公園にIngressパトロールを導入

毎日新聞:献血イベント ゴールは「献血の心」 ポケGOの“兄弟”ゲームで 施設を目的地に 若者の参加へ一役 /京都


なお、RedFaction in 関東甲信越 2017winter~2018spring は第1回が1月14日に終了し、第2回が2018年3月24日(土)~4月8日(日)に開催されるようですね!

そして Niantic 自体も Social Impact や community engagement を強めていこうという考えをもっているように見受けられます。


また、Niantic は石巻や鳥取など、色々な自治体ともコラボレーションしていて、その結果たくさんの人が物理的に旅をして、フレッシュな目で「今まで気づかなかった日本のよいところ」を発見しに行っている。

ケータイWatch: 「ラプラス祭りに10万人」「送客実績は5億人」「Pokémon GOはギガが減らない」――ナイアンティック河合氏が語る“人を動かすゲームの力”

ファミ通 App : 【ポケモンGO】鳥取イベント3日間で8万9000人のトレーナーが集結!経済効果は約18億円に

入社前、勝手にそういうことを考えて Niantic いいなあと思っていたわけですが、最近の John Hanke のインタビューを読んでいるとあながち間違ってない気がします :D


ナイアンティックが掲げている使命は、「より多くの人が外出してつながり、新しい発見をして、世界の美しさに気付いてもらう」ということです。この使命に向かって活動していけば、より良い社会づくりに貢献できると信じています。 我々は「イノベーションを起こしたい」ということよりも、「良いプロダクトを作りたい」とか「ポジティブなインパクトを社会に与えたい」ということに専念しています。こうした姿勢でプロダクトを作り続けている結果として、革新性のある会社だと評価されているのかもしれません。
とにかく一番大切なことは、人々が幸せになることです。我々は少しでも、その役に立つことをするということに尽きます。 ナイアンティックが手掛けるゲームで遊んでもらうことによって、外出して体を動かす。ユーザー同士が現実世界でつながる。こうした体験をしてもらうことで、ユーザーの人生を豊かにしたい。こう考えて、ポケモンGOやイングレスを開発しました。周囲を見渡すと、人生を楽しんでいる人というのは、人との出会いを大切にし、直接コミュニケーションしているケースが多いと思っているからです。デジタルデバイスを使ったゲームの多くは、ユーザーが体を動かすというよりも、スクリーンの前で受動的に楽しむものでしょう。このような娯楽だけにふけっていると、人間というのは幸せを感じるよりも、不安や怒りといった負の感情が強くなってしまうような気がします。

みんなで幸せになろうよ。(c) 後藤隊長

思えば 2015 年に Google Social Impact team がなくなり社内転職活動を始めたとき、「これは面白くなりそうだ」と思った Google のプロジェクトが 3 つあって、それが Project Soli, Project Jacquard, そしてまだ Ingress と Field Trips しかなかった Niantic でした。当時川島さんと John に相談に行ったのを覚えています。

2年半たって、結果的に 3 つ全てに 関わることができたということはこの上なく幸せなことです。ただ、 Niantic が Google/Alphabet から出ていってしまっていたので、ジョインするには Google を辞めざるを得ない(´・ω・`)そういうわけで、先週の金曜日に Google を退職し、本日からはスタートアップである Niantic で働き始めました。(Niantic は Google でインキュベートされましたが、今は Alphabet companyですらありません)

4 年半も日本を離れていたので完全に浦島太郎ですが、来週から東京に戻ってがんばりますのでよろしくお願いします!

今週は Niantic のサンフランシスコオフィスでの勤務。オフィスがおしゃれです!
写真はエントランスにいる潜水服です :)



人員絶賛募集中だそうです!

Niantic は全世界のオフィスで人員絶賛募集中だそうです。詳しくは下記から:


Disclaimer このブログは山崎富美の個人的なものです。ここで述べられていることは私の個人的な意見に基づくものであり、私の雇用者には一切の関係はありません。

2018年2月15日木曜日

2018年の新たな門出について

2018年を迎え、新しいチャレンジに挑戦することにしたのでお知らせです!

7 年半勤めた Google を退職し、来週からスタートアップで働くことにしました。また、それに伴い 4 年半住んだアメリカベイエリアを離れ、再来週から東京に引っ越すことにしました。

退職してしまいますが、今も Google は大好きで "Google is the best place to work in the world!" と本当に思っています。よい機会なのでちょっと 7 年半を振り返ってみたいと思います。

●2010年、入社。

入社したときは Google の東京オフィスで働いており、エンジニアでもないのに Developer Relations Japan country lead をやるということで本当に右も左もわからない状態で入社しました。DevRel のチームメイトの皆さんや、Google のエンジニアの皆さん、そして Google API Expert / Google Developer Expert(GDE) や Google Developers Group (GDG)、html5j などの開発者コミュニティの皆さんに助けて頂き、教えて頂きながら開発者コミュニティの支援活動を行っていきました。

Google Developer Day Japan という、Google I/O に次ぐ Google にとっては二番目の規模の開発者イベントの主催者を 2010 年、2011 年と務めさせて頂いたのもよい思い出です。

特に 2011 年の日本の GDD は「開発者の、開発者による、開発者のためのカンファレンスにしたい」と思って、多くの開発者の方や Google 社員の皆さん約 100 人にボランティアで運営に参加してもらい、みんなで作り上げるカンファレンスを目指しました。会場には Google による展示だけではなく、Google technology を使った開発者の皆さんのプロダクトの展示もたくさん行って頂き、+1 シールや缶バッジの交換、プロフィール交換、Google 社員への質問コーナーなどインタラクティブなセクションも多く設けて、楽しいカンファレンスを皆さんと一緒に作り上げることができたと思います。



●2011年、東日本大震災が発生。

Crisis Response なんて誰も知らなかったけど、Google 東京オフィス中のみんなが「自分にできることは何か?」を考え Crisis Response の活動を始めました。膨大なアイディアで伸びていくスプレッドシート、結局 40 ものサービスがローンチ。マネジメントから東京オフィスの皆さんに「せめて土日は休んでくれ。体も大切だ。」という司令が出るほどみんな不眠不休で動いていました。

この事態に、DevRel としてできることは何か。Amazon Japan や Microsoft Japan や Yahoo Japan など、いつもは競合他社の会社の皆さんと一緒に「今は日本の危機。会社の枠を超え、対抗するのではなく連携しよう。この未曾有の事態にエンジニアができることは何だ!」と Hack for Japan を立ち上げ、日本中とオンラインでハッカソンを開催しました。

現地に行かないとニーズがわからないということで4月に東北に視察に行ったところ、マグニチュード7.4の余震を体験するということもありました。

当時、放射能の正しい情報がわからなくて、Hack for Fukushima でお会いした福島の方に「私の娘は結婚できるんでしょうか」とつきつけられた言葉が心に残っています。世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする会社に勤めていますが、わからないものはわからない。情報の大切さ、情報の開示の重要性、情報は人の命を左右するということ、情報は人生に影響を与えてしまうということ。あれこれ考えました。




そしてまた災害が起きた時、日本社会はどういう情報をもっているのか、どう情報を使うことができるのか、あるいは使えないのか。Project311(東日本大震災ビッグデータワークショップ)は日本を次に起きうる災害に備えるために始めたプロジェクトでした。3月11日から1週間の朝日新聞記事、Google Trends、東日本大震災直後のテレビ放送テキスト要約データ 、3月11日から1週間のツイート 、NHK総合テレビ大震災発災直後から24時間の放送音声書き起こし及び頻出ワードランキング、Honda インターナビ通行実績マップデータ、レスキューナウの鉄道運行情報/緊急情報/被害状況のまとめ情報、ゼンリンデータコムの混雑統計データを各社に提供して頂き、約2ヶ月をかけて参加者の皆さんがデータを分析し、今後起こりうる災害に備えて、どのようなことができるかを議論していきました。

また、「震災で何もかも失った地元で僕たちは今後生きていけるのか、農業も漁業も工場もやられて親はみんな仕事を失っている、僕達はこの街にいて、将来仕事はあるのか。」と不安がる子どもたちを見て、東北にいながらアプリ開発者として生きていける人材が育ってくれればと東北Tech道場を始めました。



●2013 年、渡米。

震災後の日本で始めた色々な活動がきっかけで傾倒していった Crisis Response, Civic Innovation, Open Data や Open Government, Internet governance の様々な課題に Google DevRel としてどう取り組むべきなのか。上司と相談し、Mountain View 本社への転勤を決めました。しばらくは DevRel チームの中で一人プロジェクト Project Open の立ち上げという形で、講演やら小さなプロジェクトの立ち上げやら、バラバラと色々なことをやっていました。

思い出に残るプロジェクトとしては IGFのコンテンツをオープン化する Friends of the IGF があります。

ある日、同僚から「Vint Cerf からの依頼だぞ」というメールが入ります。国連が主催する Internet Governance Forum (IGF) というカンファレンスがあり、internet governence のあらゆる側面について世界中から参加者達が集まって議論をするのですが、その動画が撮影されているはずなのに何年たっても公開されない。IGF は超重要な会議なのに、ログが残らないので議論がその場で消えてしまう。誰かなんとかしてくれーと。さっそく国連本部と連絡を取るも、「動画がどこにあるかわからないし、見つけてもアップする暇もないし、誰かやってくれないと無理!」という回答だったので、それならその誰かになってやろうじゃないの。。。とジュネーブの国連本部に一人で赴き、動画のデータ(DVDとかハードディスクとか)を探し出し、IGF の YouTube アカウントに一気にアップロードしてサイトにまとめる、という荒業に出ました(笑)それを見ていた IGF のボードの一人が主体となってくれて Friends of the IGF という NPO を作り、APNIC からのスポンサーシップもあり、次の年からは完全にお任せして安定運用となりました。めでたしめでたし。

●2014年、 Google Social Impact へ異動。

Google Social Impact というのは、「テクノロジーを使ってどう社会をよくするか」を考え、実現していくための部署で、Civic Innovation, Google Crisis Response, Google.org, Google Ideas (現Jigsaw), Google Giving で構成されていました。

Google I/O 2014 ではチームメイト達がこんな講演で紹介しています。



私は Civic Innovation と Crisis Response チームに参加し、色々なプロジェクトを立ち上げさせてもらったり、参加させてもらったり、外部のプロジェクトの支援活動をさせてもらったりしました。

その一つが、Civic Bridge。市役所と提携し、その都市の大きな問題に対して、そこに住む Google 社員をボランティアで派遣し、一ヶ月間フルタイム、3ヶ月 20% プロジェクトの合計4 ヶ月をかけて問題に取り組んでもらうというもの。Google 社員にとっては自分が住む街の大きな問題を解決できるまたとないチャンスですし、市役所にとってはテクノロジー人材が役所内には少ない中、Google 社員が問題解決に取り組んでくれる、というプロジェクトです。

最初のパイロットはサンフランシスコ市役所と行ったのですが、実際にやるとなると調整調整の連続、毎日のように色々な弁護士に説明をしに行ったり、デザインの絡むプロジェクトなのにデザイナーが見つからず、せっかく見つかった Googler の上司がやっぱり忙しいからダメだと言ってきて説得しに行ったりと一筋縄ではいかなくて、毎日駆けずり回っていました。

サンフランシスコ市役所(San Francisco Mayor’s Office of Civic Innovation)と取り組んだ問題は2つ。

Department of Emergency Management とのプロジェクトは、緊急通報用電話番号「911」への通報が異常に増えているが、オペレーターの増員は時間がかかる。しかし、オペレーターが足りない状態だと緊急で助けが必要な人を助けられないことになる。911 のパンクは、人の命に関わります。この通報の増加は一体何が原因なのか、データ分析を行ってほしいという案件。最終レポートはこちら

Mayor’s Office of Housing and Community Development とのプロジェクトは、住宅事情が逼迫するこのサンフランシスコで市役所が制作している affordable housing (安価な住宅)を見つけるためのポータルサイト構築のコンサルティング。デザインスプリントやヒアリングなど、様々な活動が行われました。(サイトの構築自体はあくまで市役所が外注したベンダーが行います)その後市役所がローンチしたサイトはなんと Good Governement Award を受賞したそうです。

発表会には当時のサンフランシスコ市長 Ed Lee も来てくれました。記念写真パチリ :D



この最初の Civic Bridge に参加してくれたメンバーは 6 人いたのですが、「自分のテクニカルスキルがこんなに役に立つなんて!物の考え方が変わった!」と非常に好評で、終了後、一人はホワイトハウス (USDS) に転職、一人はサンフランシスコ市役所に転職、一人は 20% プロジェクトとして Civic Bridge のプログラムを私から受け継いで次の年から運用してくれて、一人は大学に政策を学びに行き、一人は大学に医学を学びに行きました。みんなの人生が変わっていくの、すごい。

。。。とここまでは順調だったのですが、なんとこの年 Social Impact という部署がなくなることに。ガガーン。

●2015年、Google ATAP へ異動。

さあ困ったということで社内転職活動の末、Google ATAP (Advanced Technology and Projects) という今の職場に異動することになりました。

Google ATAP では、Project Soli (レーダーを使ったジェスチャーセンサー)と Project Jacquard (インタラクティブなテキスタイル)を担当することになったのですが、私はレーダー技術もマシンラーニングもシグナルプロセッシングもファッションも完全に素人で、右も左もわからない状態からスタート。チームメイト達に教えてもらい、勉強しながらこの 2 年半やってきました。非常にチャレンジングで面白かったです!

Project Soli の紹介動画



Project Jacquard の紹介動画



Project Jacquard のメイキング動画。



私の仕事は Project Soli がメインで、2015年には Soli Alpha DevKit をリリースし、開発者の皆さんに提供しました。



その DevKit を使って、開発者の皆さんが作った様々なプロジェクトのショーケース動画はこちら。



こうした開発者の皆さんをマウンテンビューにお招きし、Soli Developers Workshop を開催したりもしました。



昨年はどちらのプロジェクトも開発がどんどん進み、Project Jacquard はLevi'sとのコラボレーションによるジャケットを無事発売することができました!



ATAP に異動してきてすぐにサンフランシスコのマーケットストリートという目抜き通りにある Levi's store に行き、Levi's のジーンズを何枚か購入したのを思い出します。Levi's とのミーティングに他社のジーンズを着ていくわけにはいかないですからね。当時から「このお店に Jacquard jacket が並んだらどういう感じかなあ」とか妄想してました。

なんと、その SF Market Street の Levi's store をジャックして、Levi's が Jacquard jacket のローンチパーティを開いてくれました。「自分たちの商品がお店に並んでる」ってすごい。すごいことだ!


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同僚とフォトブースで写真を撮っていたら、なんと Levi's の社長の JC が入ってきて、一緒に写ってくれました!




ちょうど昨年末、Project Soli は非常に大きな開発マイルストーンを達成し、Project Jacquard はLevi's Jacquard ジャケットを発売という非常に大きなマイルストーンを達成することができ、ほっと一息ついたところでとあるスタートアップの方にお誘いを頂き、転職して東京に戻ることを決めました。

本当に楽しくて、勉強になって、密度の濃い7年半でした。繰り返しになりますが、今も "Google is the best place to work in the world!" と本当に思っていますし、退職アンケートにある「また Google に帰ってきたいと思う?」という設問には "Yes!" と回答しておきました :D

さて、長くなってしまったので、来週からの新しいチャレンジについてはまたエントリーを改めて書きたいと思います。

Google の皆さん、Google 時代にお世話になった皆さん、本当にありがとうございました。

Disclaimer このブログは山崎富美の個人的なものです。ここで述べられていることは私の個人的な意見に基づくものであり、私の雇用者には一切の関係はありません。

2017年9月21日木曜日

これからの人生で一番若いのは今日!サンフランシスコマラソンの 5k を走ってきました。

もう二ヶ月も前のことですが、サンフランシスコマラソンの 5k を走ってきました!

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そして最近の口癖がこれ、「これからの人生で一番若いのは今日!

社会人になってからというもの、人生の殆どの時間を仕事に使っているのが現実で、オフィスワーカーとしては机に向かってパソコンを叩いている時間や会議室で座って会議をしている時間がすこぶる長く、結果的にとても運動不足になっていることを自覚しています。

その結果、昨年はちょっと小走りしただけで足首を捻挫し、urgent care に飛び込むことになってしまいました。夜道で暗く、雨が降っていて落ちていた大きな木の枝達に足を取られたというのもありますが、情けないことです。

しかしよく考えてみると誰しもこれから毎日毎日年を取っていくのは避けられないわけで、これからの人生で一番若いのは今日なわけです。「今日できることが明日はできなくなっている可能性」はどんどん高まっている。とっとと体を動かさないと。今でしょ!

昨年はパタゴニアに行き、ペリト・モレノ氷河の上を歩く「氷河トレッキング」を体験してきたのですが、私が参加した "Mini trekking" は 65 歳、長距離の "Big Ice" は 50 歳までという年齢制限があります。50 歳なんてあっという間です!

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ただ、漠然と「体を動かそう」と思ってもなかなか体は動かないので、まずは 8 週間のヨガコースに申し込んでみることに。お金を払っちゃえば、あとはもうやるっきゃない。

小中学生の頃は器械体操やフィギュアスケートをやっていたので体は柔らかかったはずが、年を取るとすっかり固くなっている。ですが、練習しているうちに徐々に慣れて、最初は取れなかったポーズも取れるようになりました :D

その後、フルマラソンも走っている本間さんとランチしたりチャットしたりしているうちになんだか触発されて、SF マラソンの 5k に申し込むことに。参加費を払っちゃえば、あとはもうやるっきゃない。

今までの人生でマラソンとかなるべく避けて生きてきたこの私がなんとこの年になってマラソンw

「5k なら短いし大丈夫!」とよく言われるのですが、残念ながら溜まった運動不足はいかんともしがたく、練習を始めてみたら腰が痛くなった。。。一回休み。膝が痛くなった。。。一回休み。足首が痛くなった。。。一週間休み。という具合で体のあちこちが痛みます。たかが 5 キロ、されど 5 キロ。ですが、練習しているうちに徐々に慣れて、どこも痛くなくなりました :D

そして迎えた当日の朝。

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5k のスタートライン。

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いざ走り始めてみたら、スタート地点近辺は人が多いのでダンゴ状態だし、たくさんの人が走らずに歩いていて追い越すこともできず、先頭の方で走り始めないとそもそも走れない、ということが判明。。。

次に走るときがあったらちゃんとタイムを報告して、もっと前でスタートしようと思いました。

レースが進み、道が広くなっていくにつれて人もバラけ、徐々にまともに走れるようになりました。

無事完走!

なかば強引に 5k にひきずりこんだ同僚の Masaru さんと、フルマラソンを終えた本間さんも合流してビールで乾杯。

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今年はサンフランシスコマラソンが 40 周年記念だったので、メダルにも大きな "40" の文字。良い記念になりました :D

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Steve Jobs の最後の言葉を噛み締めつつ、健康に生きようと思います。



人を雇って運転してもらうことも、お金を稼いでもらうこともできる。でも、 あなたの代わりに病気になってくれる人を見つけることはできない。 
物質的な物はなくなっても見つけることができるけど、なくなってしまったら二度と見つけられない物がある。 それは命だ。 
病人が手術室に入る時、まだ読み終えていない本が1冊あったことに気付くんだ。 それは「健康な生活の本」 。
今、人生がどのステージにあったとしても、誰もが必ず人生の幕を閉じる日を迎える。 家族への愛、パートナーへの愛、友人への愛を大切にしてください。 
自分自身を大切に。 みんなを大切に。


そういえば昔デジタルガレージで働いていた時、上司の Joi が vegan になったのですが、ある日会社に行くと私の机の上に "Fumi be healthy -Joi" と書かれたポストイットと、vegan のクッキングブックが置いてあったのを思い出しました。健康に生きよう。肉と魚をやめられる気はしないけど、お野菜多めに。

。。。サンフランシスコマラソンが終わってから気が抜けてすっかり走るのを辞めてしまっていたのを反省し、今頃ブログを書いてみました。


Disclaimer このブログは山崎富美の個人的なものです。ここで述べられていることは私の個人的な意見に基づくものであり、私の雇用者には一切の関係はありません。

2017年1月22日日曜日

ついにこの日が。オバマ退任、トランプ就任。

ついにこの日が来てしまいました。

が、その前にこっちから。。。オバマ大統領の退任スピーチの動画をどうぞ。




全文書き起こし日本語訳 &  原文

「表に出よう。飛び込め。続けるんだ」これがオバマ大統領退任スピーチ全文だ

Full text of President Obama’s farewell speech from Chicago

If something needs fixing, then lace up your shoes and do some organizing.
直さないといけないと思うことがあるなら靴紐引き締めて活動を始めなさい。
I do have one final ask of you as your president — the same thing I asked when you took a chance on me eight years ago. I am asking you to believe. Not in my ability to bring about change — but in yours.
変化をもたらすのは大統領である私の力ではなく、みなさん自身の力なんだと、信じてください。

USDS を作った立役者 Mikey Dickerson はオバマ大統領の退任と共に退任する。後任には Google でずっとスパム対策チームのリーダー・SEO対策をやってきた Matt Cutts が就任。

Mikey の最後のブログも紹介しておこう。

You’ll Never Be The Same Again

Today, it’s more important than ever that technologists put their skills to work helping those who need it most. 
今日ほど、テクノロジストが自らのスキルをそれを必要とする人のために役立てることが重要な時代はない。
If you have an opinion about the future of our country, if you’re frustrated with the status quo, if you don’t like the future you currently imagine and you want a better one, it’s time to show up.
国の未来について意見があるなら、現状に失望しているなら、今見える未来が不満でよりよい未来に変えたいと思っているなら、行動に移せ。

黙っててもまともな判断をしてくれる大統領が国を率いてくれる時代は終わった。
個々人がきちんと政府が何をやっているのか、危機意識をもって注視し
おかしいことが起きていたら行動を起こさないといけない時代に突入する。

でも、それこそが Civic Innovation で目指していたことで
政府に全て任せるのではなく、
市民が自ら考えて自分の政府や自治体を改善していくということを志していた。

こういう形で実現されるのは不本意だけれど、
ここまで危機意識が煽られないと民衆は動かない。。。と考えるべきなのか。

Jennifer Pahlka のブログ The President’s Final Ask of Us

オバマ大統領の今後はこちらで > https://www.obama.org/

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そしてとうとう来てしまった。

トランプ大統領の就任スピーチの動画をどうぞ。



全文書き起こし日本語訳 &  原文

トランプ大統領就任演説 日本語訳全文

Donald Trump’s full inauguration speech transcript, annotated

We are transferring power from Washington D.C. and giving it back to you, the People.
 ワシントン DC から国民に権力を戻すぞー。
The forgotten men and women of our country will be forgotten no longer.
今まで忘れられてた人たちは忘れられた存在ではなくなるぞー。
From this day forward, it's going to be only America First. America First.
今日からはアメリカ第一、アメリカ第一主義だからねー。 
We will follow two simple rules; buy American and hire American.
ルールはシンプル、2つだけ。アメリカの物を買い、アメリカ人を雇う。以上。
We Will Make America Strong Again. We Will Make America Wealthy Again. We Will Make America Proud Again. We Will Make America Safe Again. And, Yes, Together, We Will Make America Great Again.
アメリカをまた強く、裕福に、誇りに思えるように、安全に、偉大にしちゃるぞー。  

支持率 40% 不支持 52% と歴史的な支持率の低さの大統領の誕生。ちなみに就任当時のオバマ大統領の支持率は 84%。

トランプ氏支持率 40%、歴史的低さ 本人「不正操作」

こっちの世論調査では更に低くて支持率 37%、不支持 54%。

Poll: Trump approval rating hits new low hours before inauguration

さて。

今までは市民に政治に興味をもたせようとしても忙しい現代人は政治に興味がなかったのに、トランプ政権はあまりにあやうすぎてみんな政策議論を始めている。

今までは忙しい現代人は大臣の選ばれた背景などには興味がなかったのに、トランプ政権はあまりにあやうすぎてみんなが調べ始めている。

今までは市民を動かそうとしても忙しい現代人はアクティビズムに興味がなかったのに、トランプ政権はあまりにあやうすぎてみんなアクティビストになり始めている。

今まではニュースを盲信しないように注意したとしても忙しい現代人はニュースのファクトチェックなんてしなかったのに、嘘が多すぎてみんなファクトチェックをし始めている。

超逆説的だがこれだけやばい、危機的な状況が今まで動かせなかった物を動かしているというのは皮肉な事実である。

トランプが話すことは事実なのか、我々はちゃんと監視していかないといけない。まともな大統領がまともな話をしていると安心してカウチポテトしてたら大変なことになる。

さっそく、今日のトランプ大統領就任演説のファクトチェックが続々とあがっている。
-AP通信 のファクトチェック "AP fact check: Trump’s inaugural speech"
-USA Today のファクトチェック "Fact check: President Trump's inaugural address"

ProPublica は「トランプが大統領に就任するのに合わせ、担当レポーターがそれぞれ何について深掘りするのかを公開します。情報提供よろしく」という記事を掲載。利益相反、公民権、軍事、公正な選挙と選挙権、ヘイトクライムと過激主義、テクノロジーとプライバシー、移民、環境問題など、数々のカテゴリーと担当記者や連絡先などが並ぶ。

This is What ProPublica is Now Covering 
-As President Trump takes office, we’re sharing what many of our reporters are digging into.

●トランプがどういう閣僚をどういう理由で選んでいるのか、我々はちゃんと監視していかないといけない。まともな大統領がまともな理由でまともな人を選ぶと安心してカウチポテトしてたら大変なことになる。

トランプが選んだ閣僚を「今北産業」でまとめてるサイト。

Donald Trump's cabinet picks: Who's who?

たとえば、EPA には Rick Perry... EPA いらんって言ってた人。。。まあ「EPA」っていう言葉すら覚えられない人だけど。動画参照。。。

Rick Perry, Ex-Governor of Texas, Is Trump’s Pick as Energy Secretary

町山さんが日本語でこのへんを解説している。

町山智浩 トランプ政権の閣僚の顔ぶれと選考基準を語る

ちょっと長いのでかいつまんでまとめると:

・国務長官:レックス・ティラーソン。世界最大の石油会社エクソン・モービルのCEO。ロシアと合弁企業を立ち上げたりしてロシアとべったべた。 
・エネルギー省長官:リック・ペリー。「エネルギー省をつぶす」って言っていた張本人。ただしエネルギー省がやっている仕事を知らずに省の廃止を唱えていたという抜けっぷり。 
・環境保護庁長官:スコット・プルイット。環境保護庁が大気汚染や水質汚染を理由に排気ガスや排水の規制をしていることが企業に対する妨害であると、環境保護庁に対して訴訟を起こしている張本人。 環境保護する気なし。
・労働長官:アンドリュー・パズダー。労働者を守るための省庁の長官なのに、ハンバーガーチェーンのカールスジュニアの経営者、労働者を搾取する側の人。 
・保健福祉長官:トム・プライス。オバマケア、公的医療保険の撤廃を掲げている人。 
・教育長官:ベッツィー・デボス。公立学校の運営や管理をする立場なのに公立学校を否定している人をあててきた。資産51億ドルの資産家でロビー活動も活発。 
・中小企業長官:リンダ・マクマホン。プロレスで独占企業のWWEを夫婦で経営していた奥さんの方。中小プロレス団体を潰して独占を築いてきた張本人が中小企業を守るはずの立場に。 
・司法長官:ジェフ・セッションズ。公民権運動の聖地セルマの出身なのに、公民権運動に反対してきた人。異人種間結婚(黒人と白人とか)も反対。刑務所での拷問を禁止する法律に対しても反対、貧困家庭への食費援助の削減には賛成しているという人権弾圧っぷり。 
・財務長官:ゴールドマン・サックス出身のスティーブン・ムニューチン。ウォール街を見張るべき役割にウォール街のOBをつけてどうする。
・既得権者は敵だ、ヒラリーは既得権者だ、ゴールドマン・サックスはヒラリーの味方だから敵だと叩いて大統領になったのに、なったとたんに閣僚候補はみんなお金持ち、既得権者、エスタブリッシュメントというこの矛盾。

何の冗談ですか、っていうこの人選。

ロイター情報BOX:トランプ米次期政権の閣僚候補者の顔ぶれ

あ、そうそう忘れちゃいけない。
・ホワイトハウスの上級顧問:ジャレッド・クシュナー。トランプ大統領の娘イバンカの夫、つまり義理の息子。これは親族を閣僚ポストに就任させることを禁じた1967年施行の「反縁故者法」の法律違反のはずなのだが、「トランプ自身がホワイトハウス職員を指名するのは違法じゃない」とか「給与を受け取らないから違法じゃない」とか色々理屈をこねくり回してる。

トランプ次期大統領の新たな上級顧問、娘婿のジャレッド・クシュナー氏とは何者なのか?

しかし今日の彼の就任演説にあった「ワシントンDCから国民に権力を戻す」という主張とは微妙に一致する。一気に弱体化させられるワシントンDC。それでいいのかアメリカよ。受け止める器はどこにあるのだ。

そういえば昔、「自民党をぶっ壊す」って言ってた人がいたなあと思い出す。日本だと自民党がぶっ壊れても優秀な官僚の人達が粛々と仕事を回していくけど、今回は「政府の職員多すぎだろ。減らすべき」とか、「まず大統領になって100日間は政府での採用を凍結し、退職した職員のリプレースは行わない」とか言っている候補が大統領になり、職員たちが「国民のため」と思って一生懸命働いている省庁に対して反対している人たちをトップに据えてくるこの状況に対して、「連邦政府の職員の 28% がトランプ就任を機に退職したがっている」という調査結果も出ている。

Trump is about to make life hard for government workers

The idea, as Trump has reportedly expressed, is that within the first 100 days in office he will freeze hiring in various sectors of government, and not replace employees who leave. This can be done without Congress’s approval through an executive order.

28% of federal employees may quit their jobs when Trump assumes office: Poll

“More than one in four federal workers, or 28 percent, will definitely or possibly consider leaving their jobs after Jan. 20 when Trump is sworn into office and becomes leader of the executive branch,” according to the survey conducted by the Government Business Council and Government Executive, which both track the trends of the field.

あと、トランプが大好きでよく使い、就任演説でも出動した「忘れられた人たちは忘れられた存在ではなくなる」ってフレーズ。閣僚をこんなに既得権者で固めちゃって、どうやって実現するんだろうなあ。

トランプがどういう情報発信をし、どういう情報操作をしているのか、我々はちゃんと監視していかないといけない。まともな大統領がまともな理由でまともな情報発信をしていくと安心してカウチポテトしてたら大変なことになる。

さっそくだが、ホワイトハウスのウェブサイトから、公民権、温暖化問題、ヘルスケアと LGBT についてのページが全て消滅した。今後そうしたページが復活するのか、どういう内容で復活するのかは注視していく必要がある。

Civil Rights, Climate Change, and Healthcare Were All Scrubbed from the White House Website

ドナルド・トランプ氏が米大統領に就任 連邦政府サイトからLGBTページが消える

●トランプがおかしなことをしているときに、我々はちゃんと声を上げていかないといけない。
まともな大統領がまともな政治を行ってくれると安心してカウチポテトしてたら大変なことになる。

オバマ大統領の就任式とトランプ大統領の就任式の参加者比較。

だけど、無関心になったり耳を塞いだりしたら相手の思うつぼ。トランプのやりたい放題になっていくだろう。

明日はワシントン DC で抗議行進 "Women's March on Washington" が開催される。

Women’s March on Washington: What You Need to Know


アメリカ中からDCへ向かう飛行機の数々がこの Women's March 参加者でいっぱいだったらしい。

Party planes full of 'nasty women' are heading to DC




金曜日のトランプの就任式(金曜日)よりも今日の Women's March(土曜日)の方が参加者が多い件。





アメリカだけで、100万人を超える人々が様々な都市で参加。
アメリカだけではなく世界中で。。。そしてなんと南極でも March が行われている。

Women's Marches: 1 million joined marches in the USA alone

私が住むサンフランシスコでももちろん Women's March SF が開催される。

なお、領事館からのメールによれば、ベイエリアだけ、かつここ数日だけでこれだけの抗議集会が予定されているらしい。

【当地で計画されている主な抗議デモ】
◆ 1月20日(金)
□ サンフランシスコ(San Francisco)
○ フィナンシャル地区(Financial District)
・ 午前8時~Justin Herman Plaza(住所:1301 Clay St.)に集合
・ その後,午後1時まで集会及びデモ行進(エリア:Financial District)
○ ゴールデン・ゲート・ブリッジ(The Golden Gate Bridge)
・ 午前10時~ブリッジ上でHuman Chain(人間の鎖)による示威運動
□ オークランド(Oakland)
・ 午前7時~Ronald V. Dellums Federal Building(住所:1301 Clay St.)前に集合
・ 午前9時~Frank H. Ogawa Plazaで説明会
・ 午後0時~集会及びデモ行進(エリア:Latham Square, Broadway, Telegraph Ave.)
□ サンノゼ(San Jose)
・ 午前11時~集会及びデモ行進(エリア:Plaza de Cesar Chavez Park)
□ サン・レアンドロ(San Leandro)
・ 午前11時30分~サン・レアンドロ・バート駅(San Leandro BART Station)前に集合
・ その後,デモ行進(エリア:San Leandro Blvd.)
□ サン・アンセルモ(San Anselmo)及びサン・ラファエル(San Rafael)
・ 午後1時~Creek Park(San Anselmo)及びPickleweed Park(San Rafael)に集合
・ それぞれデモ行進で午後3時までに合流
・ その後,サン・ラファエル市役所及びコミュニティセンター(住所:618 B st.)で集会
◆ 1月21日(土)
□ Women’s March関連
○ サンフランシスコ
・ 午後2時~Grace Cathedral(住所:1100 California St.)にて集会
・ 午後3時~午後5時,デモ行進(エリア:Civic Center PlazaからJustin Herman Plaz)
○ オークランド
・ 午前10時,デモ行進(エリア:Madison Park)
○ サンノゼ
・ 午前10時,デモ行進(エリア:City Hall)
○ ウォルナット・クリーク(Walnut Creek)
・ 午前10時30分,Civic Park(住所:1375 Civic Dr.)に集合
・ その後,Walnut Creek BART Stationまでデモ行進
○ ナパ(Napa)
・ 午前10時,Oxbow Public Market駐車場(住所:1st ST.)に集合
・ その後,Veterans Memorial Parkまでデモ行進
□ レッドウッド(Redwood City)
・ 午前11時~Courthouse Square(住所:2200 Broadway)にて集会
□ サンタ・ローザ(Santa Rosa)・ 午後0時~Santa Rosa City Hall(住所:100 Santa Rosa Ave.)にて集会
ちなみに私の住むサンフランシスコの市議会は昨年11月にこういう声明を出したロックな街である。そして私も週末はロックな街のロックな抗議集会に参加してくる予定である。

San Francisco’s Official Response to the Election of Trump

「サンフランシスコ市のトランプの選挙結果に対する公式見解」 
RESOLVED, That no matter the threats made by President-elect Trump, San Francisco will remain a Sanctuary City. We will not turn our back on the men and women from other countries who help make this city great, and who represent over one third of our population. This is the Golden Gate—we build bridges, not walls; and, be it 
トランプ大統領がどんな脅威を使おうと、サンフランシスコではこの都市の発展に寄与してくれた移民の皆さんを守ります。ゴールデンゲートがあるこの街では橋を築くのであって、壁を作るのではない。 (トランプは移民排斥主義)
FURTHER RESOLVED, That we will never back down on women’s rights, whether in healthcare, the workplace, or any other area threatened by a man who treats women as obstacles to be demeaned or objects to be assaulted. And just as important, we will ensure our young girls grow up with role models who show them they can be or do anything; and, be it 
サンフランシスコでは女性の権利を守ります。若い女性が目指すべきロールモデルの存在も重要です。(トランプは女性蔑視が激しい)
FURTHER RESOLVED, That there will be no conversion therapy, no withdrawal of rights in San Francisco. We began hosting gay weddings twelve years ago, and we are not stopping now. And to all the LGBTQ people all over the country who feel scared, bullied, or alone: You matter. You are seen; you are loved; and San Francisco will never stop fighting for you; and, be it 
サンフランシスコでは12年前にゲイの結婚式を始めたし、それを止めるつもりはありません。国中の LGBTQ の皆さん。怖い思いをしたり、いじめられたり、孤独を感じていたらあなたは大切な人なんだと伝えたい。あなたを見てくれている人がいる。愛してくれている人がいる。サンフランシスコは決してあなたのために戦うことをやめません。(トランプはアンチ LGBTQ) 
FURTHER RESOLVED, That we still believe in this nation’s founding principle of religious freedom. We do not ban people for their faith. And the only lists we keep are on invitations to come pray together; and, be it 
サンフランシスコでは宗教の自由を尊重します。信仰によって人を排斥するようなことはしません。共に祈るための招待状を送るための名簿以外の名簿は作りません。(トランプはイスラム教徒のリストを作ると発言)
FURTHER RESOLVED, That Black Lives Matter in San Francisco, even if they may not in the White House. And guided by President Obama’s Task Force on 21st Century Policing, we will continue reforming our police department and rebuilding trust between police and communities of color so all citizens feel safe in their neighborhoods; and, be it 
サンフランシスコでは黒人の命は大切だと考えられています、ホワイトハウスではそうでなかったとしても。市民のみなさんが地域の安全を感じられるよう、オバマ大統領の21世紀の警察タスクフォースに基づき、 警察機関と有色人種のコミュニティの間の信頼を取り戻す活動を推進し続けます。
FURTHER RESOLVED, That climate change is not a hoax, or a plot by the Chinese. In this city, surrounded by water on three sides, science matters. And we will continue our work on CleanPower, Zero Waste, and everything else we are doing to protect future generations; and, be it 
気象変動はデマでも中国人による策略でもない。3方を水で囲まれたこの街では、サイエンスは重要なのです。 クリーンパワー、ゴミなし運動など、未来の世代の生活を守るための活動はすべて続けていきます。(トランプは地球温暖化の概念は米国製造業の競争力を奪うために中国が作った物だとツイート)
FURTHER RESOLVED, That we have been providing universal health care in this city for nearly a decade, and if the new administration follows through on its callous promise to revoke health insurance from 20 million people, San Franciscans will be protected; and, be it 
 サンフランシスコではユニバーサルヘルスケアを過去10年間近く提供してきました。新政権が2000万人に提供されている健康保険を無効にしたとしても、サンフランシスコ市民は守ります。(トランプはオバマケア廃止を唱えていた)
FURTHER RESOLVED, That we are the birthplace of the United Nations, a city made stronger by the thousands of international visitors we welcome every day. We will remain committed to internationalism and to our friends and allies around the world—whether the administration in Washington is or not; and, be it 
 サンフランシスコは国連が生まれた街であり、海外からの訪問者によって強くなってきた街でもあります。今後も世界中の友人、同盟国と共に国際化につとめます。ワシントンが鎖国主義を取ったとしても。
FURTHER RESOLVED, That San Francisco will remain a Transit First city and will continue building Muni and BART systems we can all rely upon, whether this administration follows through on its platform to eliminate federal transit funding or not; and, be it 
サンフランシスコは交通都市であり、MuniやBARTといった信頼できる交通インフラを作り続けます。新政権が連邦の交通インフラ資金を廃絶したとしても。 (トランプ政権は交通インフラ資金を激減させる予定
FURTHER RESOLVED, That California is the sixth largest economy in the world. The Bay Area is the innovation capital of the country. We will not be bullied by threats to revoke our federal funding, nor will we sacrifice our values or members of our community for your dollar; and, be it 
カリフォルニアは世界で6番目に大きい経済地域で、ベイエリアはその中でもイノベーションの中心です。我々は連邦の資金削減の脅威に屈しないし、お金のために価値観やコミュニティの人たちを犠牲にすることはしません。 (逆に言うとお金がない州や都市は資金カットに屈するしかないのだろうな。。。)
FURTHER RESOLVED, That we condemn all hate crimes and hate speech perpetrated in this election’s wake. That although the United States will soon have a President who has demonstrated a lack of respect for the values we hold in the highest regard in San Francisco, it cannot change who we are, and it will never change our values. We argue, we campaign, we debate vigorously within San Francisco, but on these points we are 100 percent united. We will fight discrimination and recklessness in all its forms. We are one City. And we will move forward together.
今回の選挙結果によって引き起こされたヘイトクライムやヘイトスピーチを全て糾弾します。アメリカ合衆国は我々がもつ価値観に対してリスペクトを持たない人を大統領とすることが決まりましたが、我々の価値観を変えることはできません。我々は差別や配慮のない振る舞いに対しては断固戦います。

"Make America Great Again" アメリカがトランプ政権で偉大になるのかどうかはこれから見守っていこう。少なくとも今までの功績としては、思考停止していたアメリカ人を危機感で煽り、"Make America Think Again"物を考えるようにさせた功績はあるのかもしれない。


Disclaimer このブログは山崎富美の個人的なものです。ここで述べられていることは私の個人的な意見に基づくものであり、私の雇用者には一切の関係はありません。

2016年12月19日月曜日

Carpool Karaoke!

Happy holidays!

All I Want for Christmas の Carpool Karaoke、仕込んでるなあ、さすが!!



去年は Joy to the World だったんですね。



Mariah 回の Carpool Karaoke はこちら。



最近の Carpool Karaoke すごいなあ。Madonna!



Lady Gaga!



ホワイトハウスで Michelle Obama と Carpool Karaoke !



Bruno Mars!



これもすごい。Broadway で Carpool Karaoke!



Elton John!



Red Hot Chili Peppers!



Selena Gomez!



Adele!



Gwen Stefani - George Clooney と Julia Roberts も登場!



Jennifer Lopez!



Britney Spears!



One Direction!



Sia!



Justin Bieber その1



Justin Bieber その2



Stevie Wonder!



Foo Fighters



Ed Sheeran





Disclaimer 
このブログは山崎富美の個人的なものです。ここで述べられていることは私の個人的な意見に基づくものであり、私の雇用者には一切の関係はありません。

2016年12月15日木曜日

自動運転車が熱い!

いよいよ「誰でも自動運転 Uber を呼べる日」が来た。少なくともサンフランシスコでは。

Uber は以前からピッツバーグで自動運転車の実験を行っていたが、限られた人しか呼ぶことができなかった。サンフランシスコが「誰でも呼べる」初めての取り組みになる。

You Can Hail a Self-driving Uber in San Francisco Starting Today

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12/15 update:
。。。と思ったら、ローンチから一日もたずにカリフォルニア州からストップがかかってしまった!動画を見てると赤信号で発進してて、超危険。。。

Uber ordered to stop self-driving vehicle service in San Francisco
Uber blames humans for self-driving car traffic offenses as California orders halt

許可取らずに運行してて、かつ危険運転ということで Ed Lee 市長もお怒りです。

Mayor Lee demands Uber obtain permit for self-driving vehicles on SF streets

サンフランシスコの自転車乗りの安全を守る強い味方、SF Bicycle Coalition は自動運転 Uber 開始前のデモに参加し、自動運転 Uber が危険な右折を行っていたのを見て改善要望を出していたのにそれを直さずに Uber がローンチしてしまったと告発。超危険。。。

A Warning To People Who Bike: Self-Driving Ubers and Right Hook Turns

楽しみにしていたのに、準備が非常にお粗末で残念。。。

同じく今週、Google は社内の自動運転車プロジェクトをスピンアウトし、Waymo という独立した Alphabet の一企業となった。


Say hello to Waymo: what’s next for Google’s self-driving car project



Update 12/23: Waymo はホンダと提携するようですね。

ホンダ、Google系列と自動運転共同研究 Waymoと提携、米の公道で実証実験へ

自動運転車の開発競争は加速するばかり。友人が自動運転車の開発を行うステルス会社に転職したので、先日乗せてもらいにいった。

写真・動画は一切禁止だったので載せられないのだが、Uber/Waymo の完成された自動運転車に比べると急ピッチで追いかけている感じで、生々しくセンサーやカメラやケーブルが剥き出しな中、走行しながらたくさんの画面を見て、「自動運転車が自分の身の回りに何があると思っているのか」を解説してもらいながら乗れて、自動運転車の脳みその中を覗いているみたいで非常に面白かった。

Google /Waymo も下記のような動画を公開している。



元 Google の Chris Urmson の TED Talk 「自動運転車には道がどう見えているのか (How a driverless car sees the road)」



さて、もっと生々しくなるにはどうするか。自分で作るのである!

先日、「自動運転車のエンジニアになるには」という勉強会が開かれた。

Becoming a Self-Driving Car Engineer

めちゃめちゃ楽しみにしていたのだが、会社の会議が長引いてしまって、駆けつけたときには残念ながらイベントの終了時間で、講演は終わってしまっていた。が、帰る直前の講師の David との雑談にちょっとだけ参加してきた。

イベント概要:

GoogleもTeslaもNVIDIAも自動運転車を作るための素晴らしいエンジニアを探している。ソフトエンジニアの世界で最もエキサイティングな分野で働くためのスキルを身につけよう!

Companies ranging from Google to Tesla to NVIDIA are on the hunt for great engineers to build self-driving cars. Learn how to acquire the skills to work in one of the most exciting fields of software engineering!

講師紹介:

David Silver は Udacity で自動運転車チームを率いている。このチームでは、自動運転車業界で働けるエンジニアを育てるための 9 ヶ月のプログラムをローンチする。Udacity の前は、フォードでリサーチエンジニアとして働いており、その前は Candidate Metrics, mSpot, と AOL でエンジニアリングとプロダクトの仕事に就いていた。スタンフォード大学の MBA と、プリンストン大学のコンピュータサイエンスの BSE をもっている。

David Silver leads the Self-Driving Car Team at Udacity, which is launching a nine-month program to train engineers to work in the autonomous vehicle industry. Prior to Udacity, David was a Research Engineer at Ford Motor Company. Before Ford, David worked in engineering and product roles at Candidate Metrics, mSpot, and AOL. He has an MBA from Stanford University, and a BSE in computer science from Princeton University.

まず、「Udacity で自動運転車チーム」ってどういうことなの。と思うわけですよ。

Udacity とはいわゆるMOOC( massive open online course)の一つで、オンラインで授業を行うサイトである。ありとあらゆる授業がオンラインにある昨今、自動運転技術の開発についての授業があるのはよくわかる。だが、「Udacity に自動運転車チーム」があるというこの事実が気になったのでどういうチームなのか聞いてみたところ、「授業のコースを作っているスタッフが 12 人ぐらい、自動運転車を作っているスタッフが 6 人ぐらい」。おおーやっぱ自分たちで自動運転車、作ってるんだ。そうだよね、教えるんだしね。 車を買ってきて、"Udacity 自動運転車"を作っていて、9ヶ月のコースを終了した生徒達は、最後に自分たちが書いたコードをこの"Udacity 自動運転車"にデプロイすることができるとのこと。Exciting!

「Self-Driving Car Engineer」のコースには、下記から参加できる。2016年12月15日現在、参加できるのは2017年の2月からのクラスだ。

https://www.udacity.com/drive

シラバスも公開されている。

価格は 3 ヶ月のタームごとに 800ドルで、3 ターム、計 9 ヶ月のコースとなっている。

Announcing the Self-Driving Car Engineer Nanodegree Program from Udacity on Vimeo.

Q: どの程度のレベルのエンジニアを対象としたものなの?

A: 最初の 3 ヶ月は入りやすいようにしてある。言語は Python。
その後はもうちょっと難しくなっていく。言語は C++。

Q: 生徒が週にどのくらい時間をかけることを想定してる?

A: 10時間ぐらいかな。

Q: どうやって参加するの?

A: 月ごとにモジュール式になっていて、 毎月クラスが始まる。10月には500人、11月には1500人が参加した。

Q: 内容は?

A: Deep Learning、Controllers、Computer Vision、Vehicle Kinematics、Sensor Fusion、Automotive Hardware などが主なトピックだ。


この時の講演内容を編集した動画が公開されていたので、興味がある方は下記からどうぞ。




2017年には自動運転車に関するオープンソースカンファレンスを開催する予定とのこと。

We're planning a whole cycle on self-driving cars, including through exploration of Deep Learning, mathematically and via open-source, that will lead to the first open-source conference on self.driving.cars in 2017.




まあ、9 ヶ月コースを取っただけでエキスパートになるのは難しいとは思うが、自動運転車の開発に携わるエンジニアが求められているのは事実で、このコースを作った Sebastian Thrun は「自動運転車の開発を専門とするエンジニアの価値は 1000万ドルに値する」と語っている。

Sebastian Thrun, a former Google employee and Stanford graduate, has stated that an engineer specialized in self-driving cars is “worth” about $10 million.

その根拠として挙げられているのが 2 つの事例:Otto は Uber に社員数 70 人の頃に約 7 億ドルで買収され、Cruise は社員数 100 人で General Motors に10億ドルで買収されている。もちろん買収金額イコールエンジニア(ヒト)だけの金額ではないし、「値する」イコールエンジニアの給料ではないが、自動運転車開発競争が激しい昨今、それを作るためのエンジニアの獲得競争が激しいというのは間違いない。

As Recode notes, two values were given as examples by Mr. Thrun - the takeover of Otto, a company specialized in self-driving technologies, which was purchased by Uber for almost $700 million, when the six-month-old Otto only had 70 employees. The second example presented by Thrun comes from General Motors, which paid $1 billion to acquire Cruise. The latter was a self-driving car startup that wanted to offer an aftermarket system that would have been compatible with some production cars. Since the company had approximately 100 employees at the time, they were rated at $10 million each, since Thrun says that the purchases were more about acquiring talent than only getting technology.

この Sebastian Thrun は元 Google の VP で、自動運転車プロジェクトで開発を行っていた。

ちなみに自動運転車プロジェクトの CTO だった Chris Urmson はこの 8 月に Google を退職したのだが、新たな自動運転車の会社の立ち上げ準備を行っているらしい。

Former head of Google car project to launch his own self-driving rival
Google’s former car guru Chris Urmson is working on his own self-driving company

前述の自動運転車のステルス会社に行ったときも、ラボを歩いていると「彼は元 Google だよ」「彼は元 Tesla だね」という感じで、自動運転車人材は引き抜かれまくっている感じだった。



さて、これだけ自動運転車の開発が進むと、「多くの車が走っている車道にたまたま一台二台、自動運転車が走ってるゾ」という現状から、「車道にはヒトが運転する車と自動運転車がガンガン共存していく」という現実が近づいてくる。一台一台の車単体で考えるのではなく、車と車のコミュニケーション、車と交通インフラのコミュニケーションも合わせて考えていく必要が出てくる。

U.S. proposes requiring vehicles to 'talk' to each other to avoid crashes

米運輸省は、交通事故を防ぐため、全ての新しい車やトラックがお互いに短距離のワイヤレス技術を使って「話すことができる」機能を必須とする提案を行った。

The U.S. Transportation Department on Tuesday proposed requiring all new cars and trucks to be able to "talk" to one another using short-range wireless technology to potentially avoid tens of thousands of crashes annually.

また、連邦高速道路局は車とインフラの間のコミュニケーションに関するガイダンスを発行する予定だ。車が信号などの道路のインフラとコミュニケーションをおこなうことができるようになっていくかもしれない。

Separately, the Federal Highway Administration plans to issue guidance for vehicle-to-infrastructure communications, which will help planners allow vehicles to “talk” to roadway infrastructure such as traffic lights.


私は大学生の頃、日本でマニュアルの免許を取ったのだが、日本では全く運転する必要がなかったためゴールドのペーパードライバーになってしまった。車社会のアメリカに来てからも一度も運転したことがない。私が住むサンフランシスコは、車がなくても生きていける街なのだ。だが、アメリカは新幹線などの交通網が発達している日本と違い、車がないと行けない場所も多い。毎日、自動運転車の普及を喉から手が出るほど心待ちにしている。

12/19 update:

ダボス会議を開く世界経済フォーラム (WEF) が呼びかけ、自動車やIT(情報技術)、保険などグローバル企業27社が参加する「自動運転の実用化を進める世界連合」が発足するとのこと。

自動運転で世界連合 トヨタ・VWなど27社

- 自動車関連企業:トヨタ自動車や日産自動車、ゼネラル・モーターズ、フォルクスワーゲン、BMW、現代自動車、ボルボ・カーなど12社
- 保険:SOMPO ホールディングスや米リバティ・ミューチュアル・グループなど
- IT 関連:スウェーデンのエリクソン、米クアルコムなど
- 政府:スウェーデンとシンガポール政府
- その他:配車サービスの米ウーバーテクノロジーズや物流の米UPSなど

Disclaimer このブログは山崎富美の個人的なものです。ここで述べられていることは私の個人的な意見に基づくものであり、私の雇用者には一切の関係はありません。

2016年12月7日水曜日

深センに行ってきた:物を作れる人類が住む街で

あなたが持っているスマホが壊れたら、どうしますか?修理に出すか買い換えるか。ケースを開けて自分で直そうとする人は少数派でしょう。

今、先進国で売られている多くの物が、開けられない、直せない、作れない物になってしまっている。その結果、現代人の多くが「消費者」になってしまった。

昔の電子機器は、壊れたら蓋を開けて直したり、テレビを殴ったりしていたはずなのに。複雑化していった結果、開けられる、直せる人はどんどん少なくなっていった。

もちろん「何か買ったらまずは開けてみる」人種はアメリカにも日本にもいる。10年ぐらい前に、組み込みエンジニアの奥井 (@naan)さんに、奥井さんみたいになるにはどうしたらいいのか聞いてみたことがある。彼の回答は「物を開けてみなさい。そうやって物の仕組みを知らないと物が作れる人にはなれないよ」だった。

先日訪問した深センという街は、物を作れる人類を作ってくれる街である気がした。

お店に行けば、部品でも完成品でも何でも見れるし買える。何を開けても、バラしても大丈夫。そんな匂いがプンプンする。

下記の写真は、私が見たお店のごくごく一部だ。そして私が行ったお店は深センのごくごく一部に過ぎない。多分 iPhoneのディスプレイだけを売っているお店が100軒、iPhoneのカメラだけを売っているお店も100軒、みたいなレベルでたくさんある感じ。

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なんと、「iPhone のステンシル」も売っていた。

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聞くところによると、iPhone を日本の修理屋さんが開くときは、丁寧にヘラみたいなツールでゆっくり開いていくものらしい。ところが深センで売っている「iPhoneを開くツール」は大胆に「カパッ」と開けてしまうのだ。メンバーの一人が購入し、彼の iPhone を開ける様子を撮影させてもらった。あまりに速いので最初の2秒を見逃さないよう。



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-少年宮にある書店に行ったときに様々な本を見た。「iPhoneの本」と言って日本で想像するのは、「iPhoneの使い方」の本とか「iPhoneアプリの作り方」の本だろう。ところが、この国立の書店で売っていたのは「iPhoneの直し方」とか「Androidの直し方」の書籍である。我々はこれらの書籍を「iPhone解体新書」「Android解体新書」と名付けた。ベイエリア在住でAndroid解体新書を見たい人は、お見せするのでお声がけください。参加メンバーの多くが購入しているので日本にはたくさんあるはず。

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本には、スマホの開き方、スマホの部品の解説、回路図、信号の波形などが細かく掲載されている。様々な機種の、機種ごとに。

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Shanghai Science and Technology Commission が Chinese Makerspace Initiativeを提案したのは2011 年、もう 5 年も前のことだ。「政府が 100 件の上海の “Innovation Houses” に投資し、それぞれの施設が 328 平方フィート以上の面積をもち、旋盤、のこぎり、ドリル、フライス盤その他のツールを整備する。年間 200 日以上は開館し、無料で公共に提供しなければならない」とされていた。

Shanghai Science and Technology Commission proposed the Chinese Makerspace Initiative, where the government would fund the building of 100 “Innovation Houses,” each at least roughly 328 square feet and equipped with lathes, saws, drills, milling machines, and other tools. These spaces were to be open at least 200 days a year and be free for the public to use.

By 2012, 45 government-sponsored makerspaces had opened their doors in Shanghai and more were in the works.

Make: How Maker Faire Found Its Way to Shenzhen

2012 年には 45 件の政府の支援を受けたメーカースペースが上海にオープンし、2016 年現在は 100 を超えている、また数はわからないが深センにもメーカースペースが激増しているとも聞いた。HackerSpaces に登録されている上海の Space はたったの 2 軒、深センの Space はたったの 3 軒なのだが、きっと中国独自の別のディレクトリーがあるのだろう。

深センでは Trouble Maker というmakerspaceに遊びに行った。Maker Faire Shenzhenで彼らのブースにも訪れた。3Dプリンターなど色々なツールを整備しているほか、教育にも力を入れているという。

私「教育って何を教えているの?」
Henk「3Dプリンターの使い方とか、プログラミングとかかな」
私「もっと深センならではのプログラムがあったりしない?」
Henk「あーそうね、電話の作り方講座とか。時計の作り方講座とか。
私「うおーそれは燃えるね。時計ってアナログ時計?スマートウォッチ?」
Henk「どっちでもできるよ。パーツも揃えられるしね。10週間かけてやるんだよ」
私「10週間もいられないなあ。短期コースはないの?」
Henk「ビジター用に短期集中3日間コース作ろうかな」
私「やったー!」

。。。というノリ。

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パーツは何でもすぐそこで手に入る。作り方もわかる。作るためのツールも提供されている。企業にとって深センは工場やマニュファクチャリングの話が一番響くと思うが、あくまで個人にとっての深センを考えると、ここは世界で一番電子機器の中の仕組みを理解できるようにできる街なのだ。

冒頭の「iPhone の修理」だが、深センでは iPhone の非公式な修理をあちこちで目にすることができる。パーツを売っているビルの中に、たくさんの「6人がけブース」のコーナーがあって、オープンな環境でスマホの修理が行われている。このビルでは、おそらく 50 人以上のブースがあったかと思う。ほかのビルも含めて100人以上を見てきたが、ほぼ必ず若い男性が、修理を行っている。年配の男性や女性が修理しているのを一度も見なかった。修理の指示出しを女性がしているのは見かけた。

しばらく見ていると、ブースによって持っている器具も少し異なるし、綺麗さも異なるし、スピードも異なる。師匠次第なんだろうな。

若いうちから毎日毎日 iPhone を開いては直していく少年たちは、何を学び、今後どんな人生を送っていくのだろうか。

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華強北を歩いていたらこんなポスターを見かけた。スマートホンの修理機器の広告だ。道を歩いているだけでどういう修理機器があって、どういう故障を直せるのかなどがわかる。開ける気満々、直す気満々な街である。

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ちなみに去年の Maker Faire Bay Area の Google ブースでは色々な Google のハードウェアプロダクトや実験プロジェクトの展示をやっていたほか、Maker Breaker Lab というのをやった

Maker Faire 2015

ブースには壊していい物がズラッと並んでいて、子どもたちは、何を壊したいかみんなで決める。そして、Google 社員がそれを壊してみせ、その様子を動画に撮影。

Maker Faire 2015

壊し終わったそのオブジェクトを子どもたちは触ってみることができるし、壊れる様子を動画で見ることもできる。非常に様々な物がこの日は壊され、中身が分解された。

「物を壊してはダメ」「物を開いてはダメ」と言われる都会の現代っ子達に物を壊し、物の中身と仕組みを知る機会が与えられた。

Maker Faire 2015

Google ブースでは他にも Soldering tent を開催し、大人も子供も含め、非常に多くの人がはんだづけを体験した。壊す方もいいけど、作る方も大事。簡単なはんだづけで、 LED が光るバッジを作ることができた。

Maker Faire 2015
Maker Faire 2015

友達の Bunnie Huang はAn Insider’s Guide to Shenzhen Manufacturing でこう語っている。

「アウトソーシング。その言葉、大っ嫌いだ。それじゃダメなんだよ。CADファイルを中国に送れば魔法のように製品ができてくるとでも思ってるわけ?ちゃんと現地に行って、パートナーシップを確立しないと製造なんてできるわけない。」

“It’s not about ‘outsourcing,’” says Huang, dismissively. “I hate that word — like you’re just going to ship CAD files to China and magic elves are going to make Christmas happen for you. You’re really building a relationship,” he says, “A partnership.” And that relationship needs to be built in person.

「アメリカは20年ぐらい前にマネジメントに詳しい人達とハーバード・ビジネス・レビューの著者たちが企業にコアコンピタンスに集中してそれ以外は中国みたいな低賃金の国にアウトソースしてしまえと言い始めた、あそこからおかしくなったんだ。こういうマネジメントの人たちが理解してなかったのは、自分の会社の社員たちが持っていた製造のプロセスやその特異性に対する細かい知識、それこそが自分たちのコアコンピタンスだったってこと。アメリカの会社、特にベイエリアの会社はそれらを全部放棄して、サプライヤーや設備メーカーなど、製造に関わるエコシステムを全て消滅させてしまい、まだ製造が行われている場所に全部移してしまった。」

“I think that corporate America created this problem about two decades ago when ‘management gurus’ and Harvard Business Review writers started telling companies to focus on their core competencies and outsource everything else to low-wage countries like China. One thing those managers didn’t understand was that the employees in their companies, with a detailed understanding of their manufacturing process and its quirks, were some of their core competencies. It’s sad that most corporations in the U.S. — especially in the Bay Area — gave all of that up, and in the process, depleted the manufacturing ecosystem there, as suppliers, equipment Makers, and the like either disappeared or moved to where that manufacturing was still happening.”

「製造っていうのはさ、サプライヤー、修理工、仲買人、輸送、配送。。。全部のエコシステムのことを指すんだ。2013年の Shanghai Maker Carnival のときに僕が華強北のアパートで寝てたら僕の工場からトランジスターが足りないって電話が入った。だから起きて階段を降りて3000個のトランジスターを道端で買って工場まで歩いて持っていってラインに乗せた。2時間後にはラインが復旧した。これができるのが深センって街なんだ。他の街なら24時間は止まってただろうね。で、この24時間の遅延というのがちょっとづつ蓄積していって、プロダクトの最終的な完成が恐ろしく遅延していく。そういうものなんだよ。」

“Manufacturing implies an entire ecosystem of suppliers, repair technicians, jobbers, shipping and delivery services, etc.,” he says. To illustrate what makes Shenzhen so unique, he shared a story at the 2013 Shanghai Maker Carnival: “I’m in my apartment, in Huaqiangbei, and I get a call early in the morning. My factory is short of transistors. So I get up, walk downstairs, buy 3,000 transistors on the street, walk over to the factory, thread it into the reel on the line, and two hours later, the line’s up and running again.” In another city or situation, he says, your factory would be down for maybe 24 hours. Those 24-hour delays begin to mount and seriously slow delivery of your product.

Bunnie が書いた深センの本に「深センには iPhone の株式市場がある」と書いてあったので、そのビルにやってきた。

実は電光掲示板に iPhone の株価が表示されているようなものを想像していたのだが、ものすごく手書きで紙の世界だった。各ブースに、手書きだったり印刷だったり赤だったり黒だったり iPhone だったり iPhone 以外のスマホだったり、その様々な価格がどわわわわーっと書かれていてこれがビルのフロア中見渡す限り埋め尽くされている。

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深センには iPhone のセカンドライフが待っている。のかもしれない。

深センに行ってきたシリーズ
1. 準備編
2. 世界がアプリエコシステムを作っているときに中国はインフラを作っていた

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